iPhoneで「30秒以上の長時間露光」を実現する方法|無料&有料アプリ完全ガイド【2025年最新版】

「iPhoneでも、一眼レフのような星空や光の軌跡を撮ってみたい」──そんな願いを持つ人は多いはずです。

実は、iPhoneのカメラでも30秒以上の長時間露光を実現することができます。

標準カメラの「ナイトモード」や「Live Photos」でも30秒露光が可能で、さらに専用アプリを使えば無制限の露光時間も夢ではありません。

この記事では、標準カメラの隠れた設定から、Slow Shutter Cam・NightCap Cameraなどの定番アプリ、NDフィルターやRAW編集による上級テクニックまで、すべてを網羅して解説します。

スマホ1台で、星の光・滝の流れ・車の軌跡を美しく写す方法を学び、「iPhoneで撮る長時間露光の世界」へ一歩踏み出しましょう。

目次

iPhoneで「長時間露光30秒以上」は本当にできる?

「iPhoneで星や光の軌跡を撮るなんて無理」と思っていませんか?

実は、iPhoneのカメラは工夫次第で30秒以上の長時間露光を実現できます。

この章では、標準カメラの限界と仕組み、そして“なぜ30秒以上が必要なのか”を、物理的な観点からわかりやすく解説します。

iPhone標準カメラの限界とその理由

iPhoneの標準カメラでは、マニュアルでシャッタースピードを指定する機能がありません。

しかし、これは「制限」というよりも、Appleがユーザーの失敗を防ぐために設計した自動制御の最適化です。

実際には、暗い環境で起動する「ナイトモード」が自動的にシャッターを開き、複数のフレームを合成して30秒相当の露光効果を実現しています。

撮影条件 最大露光時間 特徴
手持ち撮影 約10秒 手ぶれ検出で自動短縮
三脚固定 最大30秒 AI合成で高画質な低ノイズ撮影

つまり、三脚を使えば標準カメラでも30秒の露光が可能ということです。

これは一眼レフで言えば“シャッター速度30秒”とほぼ同等の効果を意味します。

さらに「Live Photos」機能を組み合わせることで、標準カメラでも滑らかな光跡を再現できます。

「長時間露光」とは?光を“ためる”撮影の基本

長時間露光(Long Exposure)とは、シャッターを長く開いたままにして、センサーに光をためる撮影方法です。

この「光をためる」という行為が、流れる水や車のライト、星の動きを滑らかな軌跡として記録します。

露光時間 効果のイメージ
1/125秒 瞬間を切り取る(通常の写真)
2〜5秒 滝や噴水の流れが滑らかになる
10〜30秒 光跡・星空・夜景が幻想的に

iPhoneでは「Live Photos」機能を使えば、数秒間の動画を静止画として合成し、動きのある被写体を一枚に閉じ込めることができます。

この手法は、AIが自動で複数フレームを合成しているため、実質的には“ソフトウェア的長時間露光”と言えます。

つまり、ハードではなくアルゴリズムで時間をコントロールしているのがiPhoneの強みです。

なぜ30秒以上が必要なのか?夜景・星空撮影の物理的背景

30秒露光の上限は、実は「妥協の産物」ではなく、光学的な最適値に近いものです。

被写体の種類によって必要な露光時間が異なるため、どこまで光を“ためる”かが作品の印象を大きく変えます。

被写体 理想の露光時間 理由
星空・天の川 20〜60秒 星光が非常に弱く、長時間集光が必要
滝や川の流れ 2〜5秒 水の動きを滑らかに平均化
車のライト軌跡 5〜15秒 車の通過時間を光跡として記録
雲の流れ 60〜180秒 風の動きを一枚に凝縮できる

星空撮影では、地球の自転によって星がわずかに動くため、露光時間を延ばすほど軌跡が描かれます。

つまり「30秒」は、ノイズを増やさずに光を十分集められる“魔法の境界線”なのです。

そして、それを超える撮影を可能にするのが、次に紹介する長時間露光アプリです。

ここまででわかるのは、iPhoneは「設定ができない」のではなく、「自動で最適化されている」ということ。

次章では、その自動制御を超えて自由にコントロールできるアプリを紹介していきます。

 

「長時間露光30秒以上」ができるおすすめアプリ6選【最新2025年版】

標準カメラのナイトモードで撮れるのは最大30秒まで。

でも「もっと長く撮りたい」「マニュアルで細かく設定したい」という人には、専門アプリの出番です。

ここでは、2025年時点で最も信頼性が高く、プロも愛用する長時間露光アプリを6つ厳選して紹介します。

1. Slow Shutter Cam:30秒以上を自在に設定できる定番アプリ

iPhone長時間露光の定番アプリといえば、Slow Shutter Cam

最短1/8000秒から最長バルブモード(無制限露光)まで自由に設定でき、まさに“スマホ版一眼レフ”と呼べる性能です。

主な機能 概要
シャッタースピード 1/8000秒~バルブ(無制限)対応
モード 光跡・動体追跡・低照度モード
ISO調整 手動設定可能(ISO100~3200)
対応デバイス iPhone SE~最新Proシリーズ

操作は直感的で、スライダーで露光時間を調整するだけ。

三脚を使えば数分単位の撮影も安定して行えます。

唯一の注意点は有料アプリであることですが、その安定性と描写力は価格以上の価値があります。

2. Spectre Camera:AI合成でブレを抑える革新的アプリ

「手持ちで長時間露光を撮りたい」という夢を叶えるのが、Spectre Camera

AIが複数フレームを自動整列し、ブレを補正しながら合成します。

特徴 内容
AI手ぶれ補正 三脚なしでもブレを最小化
自動被写体認識 水流・光跡をAIが判断
保存形式 Live Photo/動画/静止画に変換可能

夜景や滝を手軽に撮りたい初心者におすすめ。

短時間で“30秒相当”の光跡を再現できるので、外出先でも便利です。

3. NightCap Camera:星空・天体撮影に最強の一本

星空を撮るなら、NightCap Cameraが最有力候補です。

天体専用モードを4種類搭載し、AIフォーカスと無制限露光でプロ並みの結果が得られます。

モード 用途
星モード 静止した星空を明るく撮影
星跡モード 星の軌跡を連続撮影で合成
流星モード 流れ星を自動検出・撮影
ISSモード 国際宇宙ステーションを追尾

暗闇でのUIも見やすく、露光時間の上限は実質“無制限”。

星空やオーロラ撮影をiPhoneだけで実現できる数少ないアプリです。

4. ProCam 8:細かく設定したい上級者向け万能アプリ

露光・ISO・ホワイトバランスなどを完全に手動で調整できるのが、ProCam 8

まるで一眼レフを操作しているような感覚で、30秒露光やバルブ撮影も可能です。

特徴 内容
露光制御 1/8000~30秒+バルブ
対応フォーマット JPEG/HEIF/Apple ProRAW
補助表示 ヒストグラム・フォーカスピーキング対応

星空から滝まで幅広く対応できる万能型。

LightroomなどのRAW現像ソフトと組み合わせれば、後処理でも大きな効果を発揮します。

5. Lightroom Mobile:RAW撮影と現像を一体化

撮影から編集まで完結させたい人には、Lightroom Mobileが最適です。

シャッタースピードとISOを自由に設定でき、撮影後はそのままRAW現像が可能。

機能 概要
撮影形式 DNG(RAW)対応
編集 露出・色温度・ノイズ除去
クラウド同期 Adobe Creative Cloudと連携

露光後に明るさや色を自在に調整できるため、夜景や星空の後処理に非常に強いです。

撮影+現像を1アプリで完結したい人には理想的な選択です。

6. NeuralCam Night Photo:AIで暗所を明るく補正

「暗い場所で撮るとざらつく」「ノイズが多い」と悩む人には、NeuralCam Night Photo

AIが複数枚の写真を自動合成し、ノイズを除去しながら自然に明るく補正します。

特徴 内容
AIノイズ除去 深層学習で高精度補正
NeuralHDR 明暗差を最適化して自然なコントラスト
対応シーン 夜景・屋内・逆光などオールラウンド

手軽に美しい夜景を撮りたい人にぴったり。

AIが露光を“理解して補正する”時代の代表的アプリです。

ここまで紹介した6つのアプリを比較すると、次のようになります。

アプリ名 特徴 おすすめ度
Slow Shutter Cam 本格的・自由度最高 ★★★★★
Spectre Camera AI合成で手持ち対応 ★★★★☆
NightCap Camera 星空撮影特化 ★★★★★
ProCam 8 上級者向け手動制御 ★★★★☆
Lightroom Mobile RAW撮影+現像一体化 ★★★★★
NeuralCam AIで明るさ補正 ★★★★☆

このように、目的やスキルによって選ぶべきアプリが異なります。

次章では、これらのアプリを使って実際に30秒以上の露光撮影を行う手順を、初心者向けにわかりやすく説明します。

 

iPhoneで30秒以上の長時間露光を撮る手順【初心者向け】

理論を理解したら、次は実践です。

この章では、初めてでも失敗せずに長時間露光を撮れるように、準備から設定、撮影、トラブル防止までの手順を段階的に解説します。

特別な技術は不要。ポイントを押さえれば、誰でも星空や滝の光跡を美しく撮影できます。

撮影前に用意するもの(三脚・リモコン・アプリ設定)

長時間露光は「いかにカメラを動かさないか」が成功の鍵です。

撮影を始める前に、以下のアイテムを準備しましょう。

アイテム 役割 おすすめ
三脚 手ぶれを防止し安定化 軽量・アルミ製またはカーボン製
リモートシャッター シャッター押下時の振動防止 Bluetoothタイプ(約3,000円〜)
NDフィルター(昼間撮影用) 光量を減らし白飛び防止 ND8〜ND64程度
アプリ 露光時間を制御 Slow Shutter Cam / NightCap Cameraなど

リモートシャッターがない場合は、iPhone標準のセルフタイマー(10秒)で代用できます。

また、撮影中に通知が来ないように「おやすみモード」もオンにしておくと安心です。

30秒露光の設定方法をステップで解説

ここでは、標準カメラのナイトモードを使った「30秒撮影」の具体的な流れを紹介します。

ステップ 操作内容
カメラアプリを起動し、夜間や暗所で撮影モードを開く
月アイコン(ナイトモード)をタップしてオンにする
スライダーを右端にドラッグし、露光時間を「最大30秒」に設定
iPhoneを三脚にしっかり固定
ピントを合わせ、セルフタイマーまたはリモコンでシャッターを押す
撮影後は処理が終わるまで触らずに待機

もし自動で「30秒」が選べない場合は、周囲の明るさが足りない可能性があります。

街灯や外光を減らすと、iPhoneが暗所と判断し、より長い露光時間を提示します。

ナイトモードではiPhoneが自動で複数フレームを合成するため、手動操作よりもノイズが少なく仕上がるのが特徴です。

露光オーバーやノイズを防ぐコツ

撮影中にありがちな「白飛び」「ザラつき」「ブレ」を防ぐには、次の3つのポイントを意識しましょう。

トラブル 原因 対策
白飛び(露光オーバー) 光が強すぎる/時間が長すぎる 露光スライダーを最大から少し短めに設定(20〜25秒)
ノイズ発生 ISOが高く設定されている ISO100〜400を目安に低めで撮影
手ぶれ 三脚や床が揺れている 風の少ない環境で撮影/セルフタイマー使用

また、夜景の街灯が黄色く写りすぎるときは、アプリ側でホワイトバランスを「白熱灯」に設定すると自然な色味になります。

さらにRAW撮影対応アプリ(Lightroom Mobileなど)を使えば、後から露出を細かく調整できます。

最後に覚えておきたいのは、長時間露光は“待つ撮影”であるということ。

撮影中に触れたり覗き込んだりせず、落ち着いて結果を待つことが成功の秘訣です。

次の章では、被写体ごとに最適な設定と作例を紹介します。

星空・滝・光跡の3ジャンルで「秒数の違い」がどんな写真になるのか、具体的に見ていきましょう。

被写体別おすすめ設定と作例集

長時間露光の面白さは、被写体によってまったく異なる表情を見せることです。

この章では、「星空」「滝・水流」「車の光跡」という人気3ジャンルを取り上げ、それぞれに最適な露光時間・設定・構図を具体的に解説します。

どの被写体も、iPhoneとアプリの力を引き出せば見違えるように美しく撮れます。

星空・天の川を撮るときの設定

星空撮影は、長時間露光の世界で最もドラマチックな被写体です。

星の光は非常に弱いため、光を「ためる」時間が長ければ長いほど、より多くの星々が浮かび上がります。

設定項目 推奨値 ポイント
露光時間 20〜30秒 長くするほど星の軌跡が伸びる
ISO感度 400〜800 ノイズを抑えつつ明るさを確保
ホワイトバランス 曇り 星の色味が自然でやや暖かく
アプリ NightCap Camera 星モード・星跡モードが便利

構図は、北極星を基準に円弧を描くようにすると幻想的です。

また、複数枚撮って合成すれば「スタートレイル(星の軌跡)」も再現できます。

三脚固定+セルフタイマー10秒が成功の必須条件です。

滝や噴水を“絹のように”撮るテクニック

滝や川を撮る場合、秒数の違いで「流れの質感」が劇的に変化します。

ここでは、標準カメラとSlow Shutter Camを使った実践設定を紹介します。

設定項目 推奨値 ポイント
露光時間 1〜3秒 短めでも十分な動感を表現可能
ISO感度 100〜200 白飛びを防止し透明感を出す
ホワイトバランス 曇り 青みを抑えて柔らかい印象に
アプリ Slow Shutter Cam 光跡モードを選択

滝を真っ白な霧のように撮るには、露光時間を長く(3〜5秒程度)設定します。

ただし、昼間は光が強すぎるため、NDフィルターの併用が必須です。

構図は、水の流れを斜めに入れると立体感が生まれます。

車のライトや街の光跡をアートにするコツ

夜の街で、車のヘッドライトやテールランプを「光の線」として撮るのも人気の被写体です。

特に交差点や高架橋など、動きのある場所が理想です。

設定項目 推奨値 ポイント
露光時間 5〜15秒 交通量に合わせて調整
ISO感度 100〜400 光跡のコントラストを強調
ホワイトバランス 白熱灯 暖かみのある街の雰囲気に
アプリ Spectre Camera / ProCam 8 AI補正でブレを軽減

構図のポイントは、「動きの方向」と「残像の流れ」を意識すること。

車が手前から奥に走る方向で構図を決めると、奥行きのある写真に仕上がります。

また、雨上がりの濡れた路面は光を反射するため、光跡がより鮮やかに映ります。

光跡撮影は街の“動き”を記録するアートです。

設定を少し変えるだけで、同じ場所でもまったく違う印象の写真が撮れるでしょう。

次の章では、より上級者向けの撮影テクニックとして、NDフィルターとRAW編集を活用した表現力の高め方を紹介します。

さらに上級者向け!NDフィルター・RAW編集で差をつける

「標準カメラやアプリで撮れるようになったけど、もう一歩上に行きたい」──そんな人におすすめなのが、NDフィルターとRAW編集です。

この2つを活用すれば、昼間でも長時間露光が可能になり、撮影後の調整幅も一気に広がります。

ここでは、NDフィルターの基本からRAW現像の具体的な流れまで、プロが使うテクニックをiPhone向けにわかりやすく解説します。

NDフィルターで露出をコントロールする方法

NDフィルター(Neutral Density)は、光の量を均等に減らす“サングラス”のようなフィルターです。

強い日差しの下でも露光オーバーを防ぎ、昼間の滝や街の流れを幻想的に撮ることができます。

ND番号 減光量 用途例
ND4 光を1/4に 曇りの日の水流撮影に最適
ND8 光を1/8に 日中の滝・川撮影
ND64 光を1/64に 強い日差しでも5〜10秒露光可能
ND1000 光を1/1000に 昼間に1分以上の長時間露光も可

NDフィルターを使うと、昼間でも白飛びせずに数十秒の露光が可能です。

装着はマグネット式またはクリップ式がおすすめで、iPhone用の小型NDフィルターも多数販売されています。

また、NDを重ねて使う(ND8+ND4=ND32相当)ことで、より強い減光も実現できます。

コツは「まずピントを合わせてからフィルターを装着」することです。

ND越しでは暗くなりすぎてAFが効かないため、事前にフォーカスロックしておきましょう。

Lightroomで露光を再調整するワークフロー

RAW撮影に対応したアプリ(Lightroom Mobile、ProCam 8など)を使うと、撮影後に細かい露出補正が可能です。

ここではLightroomを例に、最もシンプルで効果的な編集手順を紹介します。

ステップ 操作内容 目的
RAWデータをLightroomで開く JPEGよりも広い調整幅を確保
「ライト」パネルで露出・ハイライトを調整 白飛びや黒つぶれを補正
「カラー」パネルで色温度を微調整 夜景や星空の色味を整える
「ディテール」パネルでノイズ低減 長時間露光特有の粒状感を軽減
必要に応じてトーンカーブで立体感を演出 写真全体に奥行きを与える

RAW現像では「明るくする」よりも「暗い部分を持ち上げる」方向が自然に仕上がります。

また、ノイズ除去機能を強くかけすぎるとディテールが失われるため、強度は30〜50%程度が理想です。

Lightroom Mobileでは、編集したデータをクラウドに同期できるため、PC版LightroomやPhotoshopと連携して仕上げることも可能です。

スマホで撮って、デスクトップで仕上げるという「モバイル現像ワークフロー」も今の主流です。

RAWデータの扱い方と保存のポイント

RAWファイルは情報量が多い反面、容量が大きいため管理にも注意が必要です。

項目 推奨方法
ファイル形式 DNG形式(Lightroom互換が高い)
保存場所 iCloudまたはAdobe Creative Cloud
バックアップ 外付けSSD(500GB以上推奨)
整理方法 日付+被写体名でフォルダ分け

RAWは1枚あたり数十MBにもなるため、撮影後はクラウドへ自動バックアップするのがおすすめです。

iPhoneのストレージを圧迫せず、データの損失も防げます。

「撮影=完成」ではなく「撮影=素材作り」という意識を持つと、編集でより自由な表現ができます。

NDフィルターとRAW現像、この2つを組み合わせれば、昼でも夜でも「理想の光」を自在に操れるようになります。

次の章では、撮影でうまくいかないときのトラブルシューティングを紹介します。

ピントが合わない・ブレる・明るさが安定しないときの対処法を詳しく解説します。

トラブルシューティング:うまく撮れないときの原因と対処法

どんなに丁寧に準備しても、「思ったように撮れない」「星がボケる」「明るさが安定しない」といったトラブルはよくあります。

ここでは、iPhoneで長時間露光を行う際によくある失敗と、その原因・解決策を体系的にまとめました。

“撮影の失敗は原因を知れば必ず直せる”ので、落ち着いて確認していきましょう。

ピントが合わない/ブレるときの対処

星空や夜景撮影で「ピントが甘い」「写真全体がぼやける」場合、焦点と固定がうまくいっていない可能性があります。

症状 原因 対処法
星がボケて見える AFが暗所で迷っている 昼間に遠景でMFロック→夜に再使用
写真が全体的にブレている 撮影中に振動が発生 セルフタイマー10秒を使用/風の少ない日を選ぶ
ピントが合っても再撮影時にズレる 三脚のネジ緩み 設置後に三脚の安定を必ず手で確認

NightCap CameraやProCam 8のようにマニュアルフォーカス(MF)があるアプリでは、ピントを「∞(無限遠)」に固定しておくのが基本です。

また、地面が振動しやすい場所(橋の上など)は避け、安定した地面で撮るようにしましょう。

明るすぎる・暗すぎるときの調整方法

「夜景が白く飛ぶ」「星が見えない」などの明暗トラブルは、露光設定が合っていないサインです。

症状 原因 解決方法
夜景が白く飛ぶ 露光時間が長すぎる/光源が強い 露光スライダーを20秒前後に短縮、またはNDフィルター使用
星が見えない 露光時間が短い/光害が多い 30秒まで延長、暗い場所へ移動
昼間の長時間露光が真っ白 光量過多 ND64以上のフィルター装着で減光

露出の調整は「スライダーを半分だけ動かす」だけでも劇的に変化します。

また、Lightroom Mobileを併用すれば、撮影後でも露出を±3段階まで補正可能です。

アプリが不安定・動作しないときの対処法

アプリのクラッシュやフリーズは、メモリやキャッシュの問題であることがほとんどです。

特にRAW撮影時はファイルが大きいため、iPhoneの空き容量が少ないと動作が不安定になります。

問題 原因 対策
アプリが突然落ちる メモリ不足/キャッシュ肥大 アプリ再起動・不要アプリ終了・端末再起動
保存できない/ファイル破損 容量不足/RAWファイルエラー クラウド同期または外部SSD保存を設定
AFが頻繁に迷う 低コントラスト環境でのフォーカスエラー NightCap CameraのAIフォーカス補助を使用

もし撮影直前に動作が重いと感じたら、一度カメラアプリを終了して再起動するだけでも安定します。

RAW撮影を多用する場合は、最低5GB以上の空き容量を確保しておくのが理想です。

色味が不自然/写真が黄色くなる場合

夜間の街灯やネオンなど、色温度の異なる光が混在する環境では、ホワイトバランスの乱れが起きやすくなります。

症状 原因 対策
写真全体が黄色っぽい ナトリウム灯の影響 ホワイトバランスを「白熱灯」に設定
青くなりすぎる 補正しすぎ 「曇り」設定で中間色に戻す
色が不自然に混ざる 複数光源による干渉 Lightroomで局所補正(色相スライダー)

RAWで撮影していれば、撮影後でも自由に色温度を変更できます。

特に夜景撮影では、「白熱灯」または「曇り」に設定すると自然な雰囲気になります。

“明るさ・ピント・色”の3要素をコントロールできれば失敗は激減します。

次の章では、記事全体の総まとめとして、iPhoneで30秒以上の露光を楽しむための最終ポイントを整理します。

まとめ:アプリを使えばiPhoneでも「30秒以上の世界」を撮れる

ここまで見てきたように、iPhoneでも工夫とアプリを組み合わせれば、一眼レフ顔負けの長時間露光が可能です。

ナイトモードやLive Photosを使えば標準カメラでも30秒の露光が実現でき、さらに専用アプリを導入すれば無制限の撮影も可能になります。

つまり、あなたのポケットの中にあるiPhoneは、すでに“光を操るカメラ”になっているのです。

この記事の3つの重要ポイント

ポイント 内容
① 標準カメラで30秒露光が可能 ナイトモード+三脚で、追加機材なしでもOK
② 専用アプリで自由な露光設定 Slow Shutter CamやNightCapで60秒以上も実現
③ NDフィルターとRAW現像で質を上げる 昼間でも白飛びせず、編集で理想の光を再現

また、長時間露光は単に「光をためる」だけではありません。

時間の流れそのものを一枚の写真に封じ込める、“時間芸術”なのです。

撮影ジャンル別のおすすめ組み合わせ

撮影ジャンル 推奨アプリ 必須アイテム 難易度
星空・天の川 NightCap Camera 三脚+セルフタイマー
滝・川の流れ Slow Shutter Cam NDフィルター+三脚
夜景・光跡 Spectre Camera 三脚(手持ちでも可)
風景+RAW編集 ProCam 8+Lightroom Mobile NDフィルター+RAW現像環境

このように、目的に応じてアプリと機材を組み合わせることで、表現の幅は無限に広がります。

そして重要なのは、完璧な設定を探すよりも「試して、比べて、学ぶ」こと。

長時間露光は“トライ&エラーの積み重ね”で上達する撮影法です。

最初はブレたり、白飛びしたりしても大丈夫。

一度でも成功体験を得れば、その感動が次の挑戦を後押ししてくれます。

「iPhoneだから無理」ではなく、「iPhoneでもできる」──そう思えた瞬間、あなたの撮影の世界は確実に広がります。

今夜、三脚を持って外に出てみましょう。

あなたのiPhoneが、時間を描くカメラに変わる瞬間がきっと訪れます。

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